アソビエイト

初めてのウクライナ料理店で、お腹も心も満たされた話。ーVESELKA

 

朝から張り切って観光初日を楽しんでいた私達は、お昼前にはもう腹ペコ。

ニューヨークへ来て初めてのランチは、必ず行きたいと思い日程に組み込んでいたイースト・ビレッジのVESELKAへ。

 

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私がニューヨークに憧れるきっかけとなったドラマ『gossip girl』にも所縁があるウクライナ料理のお店。

ウクライナ料理なんて食べたことがない私の目当ては、ドラマの登場人物の大好物である「ピローギ」だ。

実は注文して目の前に出てくるまで、この「ピローギ」とやらがどういう料理なのか全く知らなかった。

食べ物にはさほど関心のない私だが、初めて食べるものに関しては下調べするよりも、実際に自分の目で見て自分の舌で感じるのが大切だと、少し気取ったようなことを思っている。

 

 

外に貼ってあるメニューの中から「ピローギ」の文字を探すが、なかなか見つからない。

やっとのことでミートプレートというセットメニューの中に「pierogi」の文字を見つけた私達は、まだ正午前で人がまばらな店内に入り、席につく。

テーブル担当の女性に「ミートプレート、トゥ!」と伝えると、表でメニューに張り付いていた私達を見ていたのか、「ボルシチ?」と笑顔で返された。

ボルシチが看板メニューのようで、このミートプレートというメニューにもセットになっている。

それを目当てに来る客が多いのだろうと解釈した。

私はピローギしか眼中に無かったのだけれど、ボルシチというのは聞いたことがあるし、有名なのならば楽しみだ。このセットにしてよかった。

 

ミートプレートは、ボルシチ、ピローギ、そしてロールキャベツがセットになっている。

 

同行者も同じものを注文したのだが、運ばれてきたプレートに堂々と鎮座する山のようなロールキャベツを見て、思わずふたりで笑ってしまった。

しかもその大きなロールキャベツを切るために、海賊が持っているような大きなナイフまで添えられている。

…ナイフというか、ノコギリに見えてくる。

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楽しみにしていたピローギは、一見大きな水餃子。

具は2種類あり、もちもちとした皮にそれぞれツナとマッシュポテトが詰められている。

それにたまねぎ、赤カブ、リンゴ、サワークリームといった4種類のソースをつけて食べるのだ。

カラフルなソースによって味が変化し、味覚も視覚もおもしろかった。

 

山のロールキャベツの中は挽肉がぎっしり。

添えられていたナイフが大きなノコギリなのが納得できるくらいのずっしりさだ。

まだほんのり赤かったからビーフ100%なのだろう。

ソースはほんのり味噌のような味。

ケチャップやコンソメで煮る私の家のロールキャベツとは違って、がっつり濃い味付けだった。

 

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看板メニューのボルシチは赤カブの独特の赤ピンクさがそのまま出ていて、なんとも毒々しい。

ボルシチ=豚汁なのだというのを、帰国してから知った私。

赤カブのスープなんて青臭そうだなあ、と思って口にした一口は、肉の出汁の濃さに衝撃を受けた。

そして、スープカップがアメリカにしては小さいなという印象だったのだが、その味の濃さでスープの量に納得したのだった。

 

 

初めてのウクライナ料理を食べ終わり、お腹も心も予想以上に満足して店内を見回すと、テーブルは全部埋まっていて、先ほどの静けさが嘘のように賑やかだった

私達のテーブル担当の女性も、忙しそうに走り回っている。

あとで調べてみてわかったのだが、昼時になると平日でも混雑するほどの人気店だそうだ。

あと10分外でメニューに張り付いていたら、この混雑に巻き込まれていたかもしれないと思うと、私達はラッキーだった。

 

食べ終わったので早く次の人に席を譲ってあげなくては、と思った私達は、控えめにテーブル担当の女性を呼ぶ。

すると私達の不安が顔に出ていたのだろう、女性は遠くから「大丈夫よ」とのポーズを取ってくれた。

そして忙しい店内にイライラするどころか、カード会計のチップの書き方がわからずもたもたしていた私達に、丁寧に教えてくれたのである。

しかもしかも、会計を済ませたあと席を立とうとすると、こちらまで来て「アリガトウ!」と手を合わせてにっこり笑顔で見送ってくれたのだった。

 

こちらに来てから、人々の温かさを行く先々で実感している。

言葉も通じない、チップの書き方さえ分からない私達に、どうしてそんなに親切にしてくれるのだろう。

私はこのとき、私もこの人々のような温かい心を持ちたいと思った。

 

初めてのウクライナ料理にも満足だったが、テーブル担当がこの女性でますますラッキーだった私達。

外はちょうど雨が上がって、太陽の光がやさしい。

 

ここVESELKAは、次に訪れたときも絶対に来たい、思い出の場所となった。

 

VESELKA

144 Second Ave. New York NY

http://veselka.com

 

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