アソビエイト

旅にハプニングはつきもの、それも醍醐味。

 

ニューヨークへの夢を語ると、長期休みを取ることを快諾してくれた店長。

私の夢の話に耳を傾けてくれる彼女は、私にとって第二の母であり大先輩であり、そして憧れの人だ。

 

早速、航空券とホテルを手配して、パスポートを取得。

それまで海外に出たことがなかったので、パスポートを手にするのももちろん初めて。

出来上がったものを手にしたとき、「これで私は最強だ!」と本気で思った。

 

旅の計画を立てること数ヶ月。

他人と一緒に旅をするというのは難しいことだと思っていたが、そんな不安は徐々に消えていった。

物事に対するこだわりが強い傾向にある私は、計画を立てるのが好きだ。

今回の旅は、年に何回も足を延ばす大阪とは違う。

せっかく遠い場所、しかも憧れの、念願の場所に行くのだから、見てみたいものはたくさんあるし、食べてみたいものもたくさんある。

ましてや言葉も通じず、文化も違う土地。

下調べはいつもより入念に行った。

同行者の彼女は旅の計画を私に任せてくれたので、意見が食い違うことはなかった。

 

 

来る2月某日、重い荷物と溢れんばかりのワクワクを胸に、私達はついに地元を後にした。

田舎に住んでいる私達にとって、成田空港までの道のりもちょっとした長旅だ。

初めての国際空港にはしゃぎ、初めての出国手続きを経て、初めて足を踏み入れる国際線ターミナルで、搭乗時刻までの長い時間を待った。

 

期待を裏切られる、まさかの事態に

 

搭乗予定時刻の数分前。

待合ロビーに、私達へ宛てていると思われるアナウンスが流れた。

内容は「エンジン整備の為、搭乗時刻が遅れている」とのこと。

時間が遅れていることより「エンジン整備」というワードに反応する私達。

初の海外旅行と言いつつ、辿り着く前に飛行機が墜落してもらっては困る。

きちんと且つ早急に準備が整うことを願い、呑気にブログを書いていた。

 

そのあとも何度か同じ内容のアナウンスはあったのだが、待てど暮らせど搭乗が開始されない。

その間に他の便が次々と出発していき、ターミナルにはとうとう人もまばらになってきた。

それでも、とにかく待てば出発できると信じて疑わなかった私達は、待合ロビーの椅子に反対向きにに腰かけて、某動画サイトの動画を見てゲラゲラと笑っていた。

 

同行の彼女が十何回目かの喫煙所と席を立ってしまったとき、再び流れたアナウンスに私は一人で絶句した。

あろうことか、エンジンを結局直すことができず、本社の判断で欠航します等と抜かしやがったのだ。

思わず母に電話したのだが、私の眼はショックで少し濡れた。

 

地元を出発してから経過した時間は、悠に24時間を超えている。

楽しみにしていた初めてのニューヨーク旅行、念入りに立てた計画、今日1日に限らず長い間抱いていた張り裂けんばかりの期待。

「欠航」の一言に、全てを裏切られた気がした。

 

…のもつかの間。

急遽用意されたホテルの売店で、ビールを大量に買い込んで部屋に入った私達は、先ほどの動画の続きを見て、またしてもゲラゲラと笑っていた。

私の心にはいつの間にか、現実を受け入れられる余裕ができていたようだ。(もしくは自棄かのどちらかだ)

 

こうして私達は予定していた出発の日に出発できず、次の日の代替便で改めて発つことになったのだった。

出国手続きも初めてだったが、出国停止のスタンプを押されたのも、当然初めてだった。

 

 

新たな試練、一難去ってまた一難状態

 

買い込んだビールを全部飲み干して就寝したものの、今日こそは乗ってやるという意気込みのせいか、ふたりして早朝に目が覚めた。

思い立ったら即行動の彼女が(私も相当なのだが彼女の方が上回っている)、代替便の件で航空会社に電話をすると、夜出発の便しか空いていないという回答が返ってきた。

腹を立てた彼女は青筋を浮かべ、スマホを私に突き付ける。

不満を言っても無いものは仕方がない。

そう判断し、夜の便の発着の時間を確認していると、電話の向こうの女性から予想だにしなかった提案が成された。

「直行ではなく乗継便なら、もう少し早い時間でご案内できますが」

ぶっちゃけるともうなんでもよかった。

どうでもいいという意味ではなく、なんでもいいから早くニューヨークに足を踏み入れたかった。

二つ返事でその提案を受け、予約を入れた。

…のはいいが、電話を切った後に押し寄せる、多大なる不安感。

 

初めての海外旅行で、英語力皆無な私達が、の、の、の、乗継便!

乗継地はシカゴ。

しかも聞いたこともない名前の空港だったので、慌ててネットで検索をかける。 

 

が、その不安もつかの間だった。

一難去ってまた一難の状況だが、ここまで来るとむしろ対抗心が芽生えた。(何に対抗しているのかは謎だが)

偶然にも彼女も同じテンションだったようで、昨日よりも高まったワクワク感をそれぞれ感じながら、普通に支払うと割とお高めな朝食ビュッフェを、無料で存分に堪能したのだった。

 

 

いつだったか、「神様は乗り越えられる試練しか与えない」という言葉を、母から教えられたことがある。

その通りだと信じていたし、私には最強の味方がついているから、きっと大丈夫。

 

そしてこの試練こそが、旅の醍醐味なのだと思えた。

 

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