アソビエイト

初めまして、KRYと申します。

 

ライターという仕事に憧れを抱いたことは、過去にも何度かあった。

とはいっても具体的なものではなくて、ただ文章を書くことが好きで、「将来は自分の本を出せたらいいなあ」という軽い感じで考えたことがあるという程度。

自分の書いた本が出版されて、知らない人達に私のことを知ってもらいたい、という漠然と考えたこともある。

 

多趣味な私が憧れた仕事はたくさんある。

最初はギタリスト。短期大学の音楽科に進学したが、三ヶ月余りで自主退学。

それでもやっぱり音楽が好きだったから、地元のクラブに通い詰めてDJを始めた。

その次は美容師に憧れた。専門学校に通い、国家資格を取得。

これは結構最近なのだが、職場で空いた時間に本を読んでいて、作家になろうと思ったこともある。

他にも、英語ができたらかっこいいじゃんという考えで、通訳を目指そう、とか。

 

でもどれもこれも、中途半端なまま自然消滅していった。

私の中では趣味止まりで、本気でそれになりたいという思いが欠けていたように思う。

美容師といっても美容室には就職しなかったので、それらしい業務はほぼできない。(これに関しては学校にも通わせてもらっておきながらこの有様なので、父と母には申し訳ない気持ちしかない。)

 

よく言えば好奇心旺盛、多趣味。

しかし裏を返せば飽き性。

 

そんな私が初めて自分の力で国内旅行をしたのは、中学三年生のとき。

行き先は大阪。

地元は四国の田舎なので、当時の私にとって大阪という街は大都会だ。

このとき、一人で旅行の計画を立てることや、旅先で出会った人との交流の楽しさを知る。

最初は不安でいっぱいだったが、だんだんと旅のおもしろさを見つけ、高校生の頃には年に十回は一人で県外に足を運んだ。

特に大阪が大好きで、今では何年も行きつけの服屋さんがあるし、まるで住んでいたかのように道案内もできる。

中学三年生の私にとって大冒険だった国内旅行はその回数を重ねるごとに、だんだんと身近で気軽で、そして「私に欠かせないもの」に変わっていった。

 

旅行はいつまでも、単なる趣味だと思っていた。

ツアーコンダクターという職業に憧れたことがないわけではないけれど、多趣味な私にとって最高位の趣味である「旅行」を、仕事に変えてしまうのには不安があった。

趣味は趣味。

たとえ仕事で辛いことがあっても、趣味である旅行をすれば心が晴れる。

職業が美容師であっても作家であっても通訳であっても、つらいと思うときがあれば、趣味の旅行をして気分転換すればいい。

 

 

地元を離れるか離れないか迷ったが、「とりあえず」地元で就職したのが1年前。

「とりあえず」で取った美容師資格が役に立っているが、美容室勤務ではない。

職場の店長は私の母くらいの年齢で、なんでも気軽に相談できる、私にとってまさに「人生の先輩」だ。

価値観が似ているので話も合うし、自分自身の夢のことも相談しやすかった。

 

そんな店長に念願であるニューヨーク旅行のことを話すと、まとまった休みがもらえることになった。

自身初の海外旅行だ。

このニューヨーク旅行が、後に私の考え方を大きく変えることになる。

「趣味は趣味、仕事は仕事」

その定義は、私にとって大きな間違いだったことに気付かされたのだ。

 

 

仕事にしたいのは、「本気になれる趣味」

 

アメリカはとっても広かった。

エンパイア・ステート・ビルディングから見た夜景は、東京のスカイツリーから見た夜景とは比べものにならないくらい綺麗で。

観光客が集まるタイムズスクエアでは、たくさんの言語が飛び交っている。

赤い階段で一緒に写真を取ってくれた男性は、コロンビアから来たと言っていた。

ワン・ワールド展望台の102階からは、自由の像がとても小さく見えた。

アッパー・イースト・サイドのランチをしたお店では、日本語がまるで通じず、心が折れそうになった。

 

日本では絶対に感じることができない人、物、言葉、空気、そして時間。

ニューヨークに滞在した数日間は、私にとって宝物になった。

「もっといろんな場所を見たい」

そう思った瞬間、いつだったか子供の頃に、同じセリフを心の中で放ったことを思い出した。

 

 

「この旅行が、私の今後の人生にどう関わってくるか楽しみ」

帰国時に、まず強く感じたのはこれだった。

この旅行が何かのきっかけをくれるというのは、出発する前からわかっていたから。

 

帰国後、社会人2年目となった私には、気持ち的にも時間的にも余裕が生まれ始めた。

ある日店長との会話で、私が入社して早2年、という話題になった。時間が経つのは早いね、と2人で笑う。

私は今年、24歳になる。

…24歳?そうだよね、酉年だもん。年女。

当たり前だが来年は25歳だ。

 

自分が24歳になるなんて思ってもみなかった。(まだギリギリ23だけど)

21歳のときも22歳のときもそんなことを考えたけど、結局、22歳になって23歳になった。

次は24歳。

受け入れなければならない変化を急に実感し、24という数字が私に重くのしかかった。

 

私には、何をしているときも常に自分を見つめ直す癖がある。

社会人2年目で変な余裕を持つようになったから、ここのところその癖がより頻繁に現れる。

ましてや初の海外旅行を終えて、世界の広さを実感したばかりだ。

とにかく刺激がたくさんあって、アドレナリンが毎日どんどん出ているような感覚。

今のままでいいのか。もっとやりたいことがあるんじゃないのか。

このまま安定して、この先ずっと後悔しないと言えるのか。

 

「いつまで「とりあえず」してるの?一度きりの人生、やりたいことやったほうがいいんじゃないの?」

自分で自分に、そう問いかけた。

 

 

実はなんだか最近、断捨離の癖もついてきた私である。

物品はおろか、今年に入ってからは趣味の断捨離もするようになった。

以前の私は「好きなことは全部やる!全部全部!」という考えだったのだが、最近になって「絞ることも大事」だと感じるのだ。

やりたいこと全部を全部やっていた過去の自分のタフさには感服だけれど、残念ながら全部が中途半端で、全部が自然消滅してしまっていることに気付いたから。

 

DJ活動も、英語を勉強するのも、小説を書くのも、旅行をするのも、全部同時にはできない。

私は懸命に考えた。

趣味の中の、どれか一つを極めたい。

仕事と、趣味のどれか一つを両立…

そこまで考えて、新たな考えが私の中に滑り込んできた

「いっそのこと一番好きなことを仕事にすればいいのでは?」

趣味は趣味、仕事は仕事でなければならないという固定観念は、そもそも私には必要ないのではないか。

好きでもない仕事をするのは、そもそも時間の無駄ではないのか。

だって私は、一番好きなことを極めたいのだ。

 

そんな中、たまたま立ち寄った書店で一冊の本に目が止まった。

「トラベルフォトライター」のたじはるさんという方のフォトブック。

たじはるさんとは、大学生のときに休学せずに旅をする女子大生バックパッカーとして世界を周りながらトークイベントを行い、今でも様々な国を訪れて記事を書いている方だ。

私より2つ年上。年齢が近いのは、自然と親近感が湧く。

「トラベルフォトライター」という職業に、私はワクワクが止まらなかった。

 

 

文章を書くのは得意というか、好きである。

というのも、SNSが普及する前から趣味でブログをいくつも更新している。

もちろん現在進行形で。

国内旅行はほとんど一人ですることが多い私は、旅先で見つけた「すごい!」「綺麗!」「素敵!」などという感情を、すべてネット上の自分の居場所で書き溜めていた。

友達と一緒だと声に出して言い合うことができるけど、一人旅だとそうはいかない。

京都のバスで乗り合わせたおばあちゃんと世間話をして、見ず知らずの人なのにとても楽しかったことや、大好きな小説の聖地へ辿り着いたときの達成感、大阪のお気に入りのお店が無くなっていたときの切なさ、…

その場で感じたことは、全部その場で書くように。

あとから見ても、その時の感情を鮮明に思い出せるように。

心がけているというよりは、長年の一人旅のおかげで身に付いた癖だ。

あるいは、昔からある収集癖を、文章という形で満たしているのかもしれない。

 どちらにせよ、「書き留める」ことと「書き溜める」ことは私の一部なのだ。

 

フォトブックを見たあと、「トラベルフォトライター」についてネットで情報を集めた。

旅をしながら写真を撮ったり記事を書いたりして、Web上で情報を発信するという仕事。

SNSでも検索を掛けると、今度は「トラベルライター」ののっちさんという方のアカウントを見つけた。

ブログを覗いてみると、自分と重なる内容が多々あって驚いた。

美容師という経歴を始め、その価値観に共感できる部分をたくさん見つけた。

途端、「のっちさん」と「トラベルライター」は、私の強い憧れになった。

 

 なんて理想の職業なんだ!私もこれになりたい!

 

 

「やっと夢が決まった」

 

私には積み上げてきたものが何もない。

人と同じ生活を送るのは嫌だという思いは人一倍あったが、その割には人より特化するものを持っていない。

思えば中学受験のとき以来、努力らしい努力をしていない。

 

私は中高一貫の進学校に通っていた。

進学校というだけあって、周りの友達はみんなそれぞれ夢があった。

医者になりたいから医大へ、芸術家になりたいから芸大へ、ピアニストになりたいから音大へ。

これといってはっきりとした目標を持てず、進学が最後まで決まらなかったのが私。

なりたいものがあるって羨ましい、本気でそう思ったこともある。

 

そんな私が今回のニューヨーク旅行を経て、世界に魅せられて、「トラベルライター」に本気でなりたいと考えるようになった。

やらないで逃げていた今までとは違う。

まずはやってみなきゃ、何も積み重ならない。

 

私は「世界を見たい」、

そしてそれを「他の人に伝えたい」。

 

これがトラベルライターになりたい理由。

ここまでだらだらと書いてきたが、動機は至極単純だ。

 

経験皆無、もうすぐ24歳。 

本気でなりたいと思える職業が決まったという喜びに、長く浸っている場合ではない。

何から始めてみればいいのかなんて何一つ分かってないが、

唯一の自慢である行動力を、今まで以上に発揮しようと思う。

 

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